どこを見ても見当たらない
探すにつれ、不安が募るばかり
仕方なく旅仲間の風真くんに尋ねることにしてみた

「あ~れ?風真ぁ私のパニョ君、知らない?」
「あ?そこらへんにいるだろ」

予想通り速答
しかも、本から一切目を離さずに速答
声色からして少々不機嫌の様子
ちょっとビクビクしながら再度、部屋を見渡してみる
が、見当たらない

「風真ぁ…パニョ君いないよぅ(涙)」

愛しの愛しのパニョ君がいない
毎晩共に寝ているパニョ君がいない
パニョ君がいなきゃ寝付けないよぅ
パニョ君がいないということを実感し始めると涙が出てくる…

「あのクマなら歩いてどっか散歩でもしてんだろ」

はっもしかして家出!?
いや、しかしパニョ君に限ってそんなことは…でも今時の子は気難しいというし…
そんなぁっ(冷汗)
私を置いてかないでっっ

「パニョ君カムバァ~ク!」
「人の話聞けよ(怒)」

待てよ!?
家出とは限らない
あんなにモコモコして可愛いパニョ君だ
色んな人の目につくはず…
もしや誘拐!!?大変だ!
早く助けなければっ

「風真!これは大事件だ!パニョ君が誘拐された!」
「はぁ?っておい!どこ連れて行くつもりだ!?」

んなこと決まっているっ

「何を言ってるのだね?今から事件解決しに行くのだよ」

我が愛しのパニョ君のために立ち上がるのだっ

「……一人で遊んでてくれ…」

ガーン
遊びだなんてそんなぁ(涙)

「遊びじゃないもん!真剣だもん!」
「余計たち悪いわ!!」
「いや~ん♪ゲフっ」

痛イデス…

「一度死んでこいっ」
「はぃ…」

もうパニョ君とは一生会えないのだな…
パニョ君…最後に一目見てから別れたかったっ!

「あ。…おい…聖明」
「ぅ~…なんだい?風真ぁ…」

私は今感傷に浸っているのだ…風真…今は逝かせてくれ…

「あの外にぶら下がってるのって…クマじゃないか…?」

あの外で洗濯バサミに耳を挟まれ、風に煽られている物体は…

「「………。」」

「そういえば…洗濯して干してたんだっけ…えへ」
「っ(怒)」

汚れてたから洗濯機に入れて洗って、干したんだっけ
すっかり忘れてたや
よかったぁパニョ君、もう少し乾いてから迎えに行くからね~♪

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携帯版HPより移植作品
2005 携帯小説にて更新
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⇒ パニョ編
⇒ 風真編

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